- 『アンガーマネジメント』の要約を知りたい!5分で大切なポイントを教えてほしいです。
- アンガーマネジメントってよく聞くけど、具体的な方法を知らないので、教えてください。
これを解決する方法が、アンガーマネジメントを学ぶことです。
この記事を書いた人
日本アンガーマネジメント協会理事であり、アンガーマネジメントやアサーティブコミュニケーションなどの講師として30年活躍されている戸田久美氏が書いた『アンガーマネジメント』を読んで、私が学んだことを5分で要約・まとめます。
本書は、怒りの構造を理解し、アンガーマネジメントを実践するためのガイドです。
2020年からパワハラ防止法が施行され、企業でもアンガーマネジメント研修に取り組む動きが加速しました。
そもそもアンガーマネジメントとは、怒りとうまく付き合うための心理トレーニングのことです。
つまり、怒る必要のないことを見極め、適切な怒り方ができるようになることを目指しています。
「アンガーマネジメント」を読んでほしい人
- 怒りの感情をコントロールできるようになりたい人
- 「あの時なんであんなに怒ったんだろう」と後悔している人
- アンガーマネジメントの実践方法を把握したい人
それでは、5分で読める『アンガーマネジメント』の要約を始めます。
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それでは、本題に入りましょう。
目次
アンガーマネジメントの必要性について
いつもイライラしている人がいる職場や家庭では、安心して過ごすことができませんね。
この「安心してなんでも言い合える状態」を、心理的安全性と言います。
イライラしている人がいると、
- 自分の言いたいことが言えなかったり
- 萎縮してしまったり
- 失敗を恐れたり
といった理由で、自分の真の力を発揮できません。
心理的安全性を実現するためには、アンガーマネジメントが必要です。
私の常識は他人の非常識かも!?
「これ常識だよ!」という発言には注意が必要です。
言われた側は、「常識がない人だ」と言われたと感じ、腹立たしく思うかもしれません。
特に、マネジメント層の方々は、「常識」が通用しなくなったと理解することが大切です。
コミュニケーションで重要なのは、当たり前を押し付けることではありません。
怒る時間は無駄である
イライラすると、判断力や集中力が低下し、いわば「バカな状態」になってしまいます。
怒りでは仕事のパフォーマンスは上がらないどころか、無駄なミスや時間の浪費につながります。
さらに、怒りを周りにぶつけると、職場の人間関係が悪化し、チーム全体のパフォーマンスにも悪影響を与えるため、デメリットしかありません。
そういった意味でも、アンガーマネジメントは重要です。
怒りは自分が生み出した感情だと理解する
「あの人のせいでイライラする」と、他人の行動が原因で怒りの感情が湧いてくると考える人もいるでしょう。
しかし、アンガーマネジメントでは、「怒りは自分が生み出した感情だ」と考えます。
他人のせいだと考えていると、感情が他人にコントロールされてしまい、アンガーマネジメントができません。
怒りは自分が生み出した感情だからこそ、感情をコントロールすることができるのです。
次に、怒りを理解する上で大切な「怒りの向き先」について見てみましょう。
怒りは自分より下だと思う人にぶつける
怒りに限らず、喜びや悲しみといった感情は周りに伝播する性質があります。
怒りの場合、高いところから低いところへ連鎖していきます。
上の立場の人から下の立場の人へと怒りは流れていくのです。
例えば、家庭の場合、親が子供に怒っていても、電話がかかってくると、怒っていた親でも明るい声色で電話に応答することがあります。
これは、怒る側が力関係を見て、「子供になら怒っても大丈夫だ」と判断しているからです。
身近な人にほど怒りは強くなるので注意!
怒りの感情は低い方に流れていくと同時に、身近な人にほど強くなります。
いつも一緒にいる職場の人や家族など、身近な対象には「このくらい怒っても大丈夫だろう」という甘えが出るからです。
怒りを構造的に理解しよう
アンガーマネジメントを実践するためには、まず怒りの構造を理解することが重要です。
怒りとは、自分の心身の安全が脅かされそうになったときに湧き上がる本能的な反応です。
例えば、自分を傷つけるような言葉を投げかけられたときに、「なんだと!」と怒りを感じるのは、自分の心身の安全を守るために怒りを持って対応しようとするからです。
コアビリーフが重要です
怒りの感情を抱く背景には、コアビリーフが関係しています。
コアビリーフとは、自分の中にある「〜べきだ」という譲れない価値観や信条のことです。
この「べき」が怒りを生む原因になります。
例えば、「上司に仕事の相談をするなら、メールではなく直接相談に来るべきだ」という価値観を持っている人が、後輩からメールだけで仕事の相談を受けたら、「なんで直接相談に来ないんだ!」と怒りを感じるでしょう。
怒りの裏には様々な感情があることを理解
怒りとは、不安、心配、悲しさといったネガティブな感情がトリガーとなって引き起こされる感情です。
いわば、怒りは二次感情だと言えます。
二次感情のままに怒るのではなく、一次感情をうまく表現できるようになることが重要です。
例えば、いつも遅刻してばかりの後輩に「どうして毎回遅刻するんだ!」と怒りに任せて感情を吐き出すのではなく、「いつも遅刻していて心配です。どうすればいいか、一緒に考えましょう」といった感じに、「心配」という一次感情を相手に伝えるようにしましょう。
具体的なアンガーマネジメント実践方法
怒りと上手く付き合うための具体的なアンガーマネジメント方法を、ここでは3つご紹介します。
6秒間我慢する
怒りの感情のピークは6秒間だと言われています。
怒りを感じてから6秒間をやり過ごせば、理性が働き、感情的な行動を避けることができます。
6秒のやり過ごし方として、カウントバックという方法があります。
これは、1、2とカウントアップするのではなく、例えば100から96、92と4ずつ引いていくなど、別のことに意識を向ける工夫をして6秒をやり過ごす方法です。
アンガーログで怒りのパターンを把握
怒りを感じたときに、それを記録するアンガーログも有効です。
アンガーログに書く内容は以下の通りです。
項目 | 記録例 |
---|---|
日時 | 4月5日 |
場所 | 職場 |
出来事と感じたこと | Aさんの業務なのに、Aさんが締切に間に合わず、急遽私にその業務が押し付けられた |
思ったこと | 私も忙しい中、工夫して仕事をしているのに、自分にだけ業務負担が増えて不公平だと感じた |
怒りの数値 | 6 |
アンガーログはスマホのメモでも良いので、怒りを感じたらその場で都度書くようにしましょう。
これを続けることで、怒りを感じるパターンを可視化し、客観的に自分の怒りと向き合えるようになります。
そうすることで、怒りを感じたときに、「この怒りは、このパターンのやつだ!」と自身を俯瞰し、冷静に分析できるようになります。
コアビリーフを書き出す
怒りの元は、自身の中にある譲れない価値観である「べき」でしたね。
アンガーログと同じように、「べきログ」として自分の中にある「べき」を書き出してみましょう。
これにより、自分の中にあった「こうあるべき」という当たり前や常識が、実は思い込みだったと気づけることが目的です。
言わば、事実と思い込みを整理することがポイントになります。
自分の「べき」が思い込みだったと理解できれば、コアビリーフを見直すことができます。
まとめ
怒りを理解し、コントロールすることが重要です。
怒りは自分が生み出した感情であり、その根底には自身の価値観=「べき」が関わっています。
例えば、忙しい中で努力しているのに他人が期待通りに行動しないと、不公平だと感じて怒りが湧いてくることもありますよね。
そのような場面で、自分の「べき」という思い込みを見つめ直すことが大切ですね。
具体的なアンガーマネジメント方法として、怒りのピークをやり過ごす方法やアンガーログの記録、そしてコアビリーフの整理といった方法があります。
これらによって、自己理解を深め、怒りをより健全にコントロールできるようになります。
そして、その結果として、より良い人間関係の構築や生産性の向上につながることでしょう。
アンガーマネジメントは、人間味あふれる対話や思いやりの気持ちを持ちながら、自分自身と向き合う大切なスキルです。
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