このようなお悩みを解決します。
本記事の内容
- 独学で取得できる就活に役立つIT系の国家資格は?
- 初心者がIT系資格を取得する勉強法と参考書は?
- 就活では「なぜその資格を取ったのか」という理由が大切
この記事を書いた人
就活では資格所有者が有利に働くケースがあります。例えば、「就職先で推奨している資格を既に取得している」「志望している業界に興味があると示すことができる」など。IT系資格の中でも、就活で役に立つものがあります。
本記事は、就活に役立つIT系の国家資格を探している方を対象に、資格の難易度や参考書を使った独学について書いています。
面接官に「あなたはなぜ、その資格を取得したのですか?」と聞かれた時に、相手を納得させる説明ができますか?その資格を取って何をしたいのかが説明できると、相手に好印象です。
それでは、本題に入りましょう。
目次
大学生が独学で取得できるIT系の国家資格4つと難易度
大学生が独学で取得できるIT系の国家資格は、以下の4つです。
これらの資格は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が主催しているIT系の国家資格になります。
就活に役立つIT系の国家資格
資格 | 難易度 | IT業界へのアピール |
ITパスポート | ★☆☆☆ | ★☆☆☆ |
情報セキュリティマネジメント | ★★☆☆ | ★☆☆☆ |
基本情報技術者 | ★★★☆ | ★★☆☆ |
応用情報技術者 | ★★★★ | ★★★☆ |
ITパスポートの特徴と難易度
ITパスポートは、IT業界で働く人に関わらず、社会人として知っておいてほしいITに関する基礎知識を証明する資格です。IPAが主催する資格試験の中で、難易度が最も低くなっています。
参考
MOS(Microsoft Office Specialist)と比較されることがありますが、MOSとITパスポートは、出題内容が全く異なります。MOSはOffice製品(Word、Excelなど)に関するスキルを問う民間資格です。
ITパスポートでは、情報セキュリティ、データベース、ネットワークなどのITに関する知識から、経営戦略、マーケティング、財務、法務などの経営全般の知識や、AI、ビックデータなどの最新のIT知識まで、幅広い知識が問われます。
ポイント
社会人としてITに関する基礎知識があることを証明できるので、IT業界への入社を目指すならITパスポートでは、アピールとしては弱いです。
情報セキュリティマネジメントの特徴と難易度
組織内の情報セキュリティ確保に貢献し、機密情報の漏洩や不正アクセス、データの改ざんなどのセキュリティ脅威から組織を継続的に守ることができる基礎知識を認定する資格です。IPAが主催する資格試験の中では、「ITパスポート」の次に難易度が低くなっています。
情報セキュリティマネジメントに関する基礎知識は、情報管理部門者だけが必要な知識ではなく、社会人ならすべての人が身に着けておくスキルです。
なぜなら、情報漏洩といったセキュリティ事故の多くは、人的ミスが原因だから。情報セキュリティマネジメントを取得して、セキュリティに関する脅威から個人・組織を守るための知識があるとアピールできますね。
ポイント
ITパスポート同様に難易度が低い資格なので、IT業界への就職としてはアピールが弱い資格です。
基本情報技術者の特徴と難易度
システムエンジニアやプログラマーなどのITエンジニアが理解しておくべき基本的な知識を取得していることを証明する資格です。IT業界で活躍を目指す学生なら、基本情報技術者の資格を目指しましょう。
難易度もITパスポートや情報セキュリティマネジメントと比べて、格段に上がります。
ポイント
ITエンジニアとして働く初心者が取得すべき資格なので、IT業界への就活では十分アピールになります。
応用情報技術者の特徴と難易度
システムエンジニアやプログラマーなどのITエンジニアに必要な応用的な技能・スキルが求められる資格です。中級レベルのITエンジニアが取得を目指すレベルの試験になります。基本情報技術者と比べて、さらに難易度が上がります。
ポイント
IT業界への転職にもアピールできる資格です。大学生で応用情報技術者を持っていると、就活で大きなアピールになります。
IT系の国家資取得におすすめの参考書と勉強方法
大学生が独学で取得できるIT系の国家資格4種の勉強方法と参考書について紹介します。今回紹介する参考書は、大学の図書館で借りられる可能性が高いです。
ITパスポートの勉強法とおすすめの参考書
試験概要
項目 | 内容 |
試験時間 | 120分 |
試験形式 | CBT形式(コンピューターを使った試験) |
出題数/解答数 | 100問 / 100問 |
出題形式 | 四肢択一式 |
合格基準 | ◆条件1:全体で60%以上に正解する
◆条件2:各分野でそれぞれ30%以上に正解する
|
おすすめ参考書
この参考書は、教科書と問題集を合わせた形式になっているので、この一冊だけで試験対策ができます。また解説も分かりやすいので初心者にもおすすめです。
参考書をまずは1周ざっと見て全体像を把握しましょう。ITパスポートでも専門用語、知識が必要になるので、参考書2周目では知識をインプットしていきます。
知識がついてきたら、過去3年分の過去問題を解きましょう。「ITパスポート過去問道場」という過去問題の無料WEB問題集を使います。このやり方で十分合格点まで引き上げることが可能です。
まとめ
- 参考書を使って全体像の把握、知識のインプット
- 過去3年分の過去問題を解く
情報セキュリティマネジメントの勉強法とおすすめの参考書
試験概要
項目 | 午前 | 午後 |
試験時間 | 90分 | 90分 |
出題数/解答数 | 50問 / 50問 | 3問 / 3問 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 |
合格基準 | 60%以上に正解する | 60%以上に正解する |
おすすめ参考書
情報セキュリティマネジメントは、午前問題(90分)出題数50問の多肢選択式(四肢)、午後問題(90分)出題数3問の多肢選択式と1日に2回試験を受けます。
この参考書は、教科書と問題集との形式になっており、一冊で十分対策ができます。専門用語もやさしく解説しているので、初心者にもおすすめです。
ITパスポートと同じで、参考書を2周して全体像の把握と必要な知識のインプットします。次に、過去問題を午前・午後とも3年分はやりましょう。ITパスポート同様に「情報セキュリティマネジメント過去問道場」という過去問題の無料WEB問題集を使って問題を解いていきます。このやり方で十分合格点まで引き上げることが可能です。
まとめ
- 参考書を使って全体像の把握、知識のインプット
- 過去3年分の過去問題を解く
基本情報技術者の勉強法とおすすめの参考書
試験概要(現在)
項目 | 午前 | 午後 |
試験時間 | 150分 | 150分 |
出題数/解答数 | 80問 / 80問 | 11問 / 5問 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 (選択問題あり) |
合格基準 | 60%以上に正解する | 60%以上に正解する |
試験概要(2023年4月から)
項目 | 科目A試験 | 科目B試験 |
試験時間 | 150分 | 150分 |
出題数/解答数 | 60問 / 60問 | 20問 / 20問 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
多肢選択式 |
合格基準 | IRT方式
(解答結果に基づいて配点を算出) |
IRT方式
(解答結果に基づいて配点を算出) |
基本情報は、ITパスポートや情報セキュリティマネジメントとは違い難易度も高いです。また、午後・午後問題は難易度も違い、午後問題が不合格で基本情報技術者に落ちるケースが多いです。午前・午後ともしっかりと対策をしましょう。
おすすめ参考書
「栢木先生の基本情報技術者教室」を使って、専門用語や知識をインプットしていきます。イラストや図解を豊富に使って説明されているので、記憶にも残りやすく分かりやすい一冊です。一度ですべてを理解しようとはせずに、参考書を2周して知識を定着させましょう。
次に、「パーフェクトラーニング過去問題集」を使って過去問題を解いていきます。過去問題集を何周もして、解答を暗記するくらいの気持ちで取り組んでください。
午前対策より、難易度の高い午後対策に時間をかけることをおすすめします。午後対策に特化した参考書もあるので、それらを使って午後対策に時間をかけてください。
まとめ
- 参考書を使って全体像の把握、知識のインプット
- 過去問題集を何周も解く
- 午後対策に時間をかける
応用情報技術者の勉強法とおすすめの参考書
試験概要
項目 | 午前 | 午後 |
試験時間 | 150分 | 150分 |
出題数/解答数 | 80問 / 80問 | 11問 / 5問 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) |
記述式 |
合格基準 | 60%以上に正解する | 60%以上に正解する |
応用情報技術者は基本情報技術者に比べて、格段に難易度が上がります。さらに、午後問題は解答方式が記述式になるので、難易度が高いです。
私は、基本情報技術者は一発合格しましたが、応用情報技術者は3度不合格になっています。いずれも午後問題が不合格でした。応用情報技術者は、午後問題の対策に時間をかけてやった方が良いです。
おすすめ参考書
「応用情報技術者 合格教本」を使って、合格に必要な知識をインプットしていきます。午後問題対策に時間をかけた方が良いので、ここはざっと取り組む感じでOKです。この後、過去問題集を使って学習していきますが、過去問題集の解答解説を見ても全く内容が分からなければ、合格教本でしっかり勉強しましょう。
「応用情報技術者 パーフェクトラーニング」で午前対策は、完璧にやり終えましょう。過去問題集で午前問題が7割くらい解答できるようになったら、そこからは午後対策に力を入れると良いです。
午後対策は「応用情報技術者 午後問題の重点対策 (重点対策シリーズ)」など、午後問題に特化した問題集を使って、勉強しましょう。午後問題は記述式の解答になるので、何度も解いて力をつけてください。
まとめ
- 参考書を使って全体像の把握、知識のインプット
- 過去問題集を使って午前問題を7割程度できるようになる
- 残り時間は、すべて午後対策に時間をかける
IT系の国家資格はこんな就活生におすすめ
IT業界を目指す学生か、一般教養としてIT系の資格取得を目指す学生かで、取得すべき資格は異なります。
IT業界を目指す就活生が取得すべき資格は「基本情報技術者」
IT業界を目指す就活生は、「基本情報技術者」の取得を目指しましょう。「ITパスポート」と「情報セキュリティマネジメント」は難易度が低く、多くの学生が取得できる資格であるため、アピールとしては弱いです。
「基本情報技術者」を取得すれば、ITエンジニアが理解しておくべき基本的な知識を備えていることをアピールできます。
「基本情報技術者」が取得できたなら、次は「応用情報技術者」にチャレンジしましょう!
ITに関する基礎知識があることをアピールするなら「ITパスポート」「情報セキュリティマネジメント」
社会人として必要なITリテラシー、ITに関する基礎知識を証明するなら、「ITパスポート」「情報セキュリティマネジメント」の取得がおすすめです。
「ITパスポート」は、ITに関する基礎知識があることを証明できる資格です。コロナ禍によって、テレワークという働き方も浸透し、社内のIT化もいっきに進みました。今後は、社会人としてITの基礎スキルは必須スキルになります。
また、テレワーク実施にあたり不正アクセス、マルウェアへの感染などセキュリティ事故も発生しています。セキュリティ事故を防止するために、社員のITリテラシーが求められます。セキュリティ脅威から守る力を証明するためには、「情報セキュリティマネジメント」の資格も有効です。
まとめ:大学生が独学で取得できるIT系の国家資格4選
就活に役立つIT系の国家資格
- ITパスポート
- 情報セキュリティマネジメント
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
大学生が独学で取得できるIT系国家資格4つを紹介しました。IT業界を目指す就活生なら「基本情報技術者」の取得を目指しましょう。社会人として必要なITリテラシー、ITに関する基礎知識を証明するなら「ITパスポート」と「情報セキュリティマネジメント」の取得がおすすめです。
これらの資格を取得するために必要なことは過去問題を解くことです。6割取れれば合格となるので、すべてを理解する必要はありません。試験分野も広いので、7割を目指して取り組むくらいで気持ちで勉強すると良いと思います。完璧を目指すと挫折しますから。
大学の図書館には、資格取得に関する参考書も置いてあると思うので、まずは図書館で参考書を探して見てみてください。資格を取って自信をつけていきましょう!